クロス円の仕組みは簡単!ドル円とドルストレートとの関係を解説

投資・トレードの勉強

FXを始めるとよく聞くようになる言葉の1つに「クロス円」というものがありますよね。

なんとなく、対円通貨ペアのことであることは名前から想像できます。

しかし、なぜ「ドル円」と「クロス円」は区別されているのでしょうか?

 

ドル円もクロス円も対円通貨ペアであるのですが、両者は厳密には違う点があります。

それは、クロス円がドル円とドルストレートペアのクロスレートであることです。

この特徴があるために

  • クロス円とドル円、ドルストレートは相関性を持つ場合がある
  • クロス円の相場は複雑で予測が難しい相場になる
  • クロス円はドルストレートと比べてボラティリティが高くなる

ということが起きやすいです。

 

クロス円の値動きの予測を立てるときには、ドル円とドルストレートの値動きにも注目することが有効です。

本記事では、「クロス円の仕組み」「クロス円の相関関係について」「クロス円の長所と短所」の3つをまとめます。

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クロス円の仕組み

ここでは「基軸通貨の米ドルの基礎知識」と「クロス円の作られ方」を説明します。

世界の基軸通貨:米ドル

私たち日本人にとっては「円」という通貨はとてもなじみ深いので、FXでトレードするときはドル円のほか、ユーロ円や豪ドル円などのクロス円を基準的なペアだと考えがちです。

しかし、世界的な取引(国際為替市場や国際貿易)で使われている基軸通貨は「米ドル」とされています。

そのため、実はFXにおいてもドルストレート(対ドルペア)が基準的なペアだったりします。

 

ドルストレート(対ドルペア)とは、基軸通貨:米ドルに対して他国の通貨が「どのくらいの価値があるのか」を換算したものです。

これのドルストレートを基準に世界各国で様々な取引がされております。

 

豆知識ですが、1944年以前はイギリスポンドが基軸通貨とされていました。

そして、1944年7月ブレトン・ウッズ体制誕生をきっかけに米ドルが基軸通貨となったことは有名です。

クロス円のレートの作られ方

ドルストレートは単純に米ドルと他国通貨の価値比率を表したものになりますが、クロス円はその仕組みと異なります。

ユーロ円やポンド円、豪ドル円といったクロス円はドルストレート同士で掛け合わされて算出される「クロスレート」なのです。

上の画像のようにクロス円はドル円とドルストレートを掛け合わせたものになります。

これはクロス円に限ったことではなく、他のユーロポンドや豪ドルNZドルなどの通貨ペアすべてがドルストレートの掛け合わせで算出されています。

実際に確かめてみると実感できます。

例えば、同時刻のユーロドルとドル円でかけ算をしてみてると、同時刻のユーロ円の価格とほとんど一致します。

このようにクロス円は通貨ペアを掛け合わせて作っているために、ドル円とドルストレートの値動きに影響を受けやすい特徴があります。

つまり、クロス円の値動きはドル円、ドルストレートと相関関係を持つ場合があると言うことです。

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クロス円とドル円、ドルストレートの相関関係

為替相場では、クロス円がドル円とドルストレートと相関性が強い場合と弱い場合があります。

それぞれの相関性を見ることで、どの通貨が中心となって値動きを動かしているか判断することができます。

次からは代表としてユーロ円を例にとってクロス円の相関関係を説明します。

「円」を中心に値動きする:クロス円とドル円の相関性が強い

強い円買いや円売りによって為替相場が動いているとき、ユーロ円はドル円の値動きに連れられたような値動きをします。

逆にユーロドルとの相関関係は見られないことが多いです。

例えば「大きな円買い」が起きたとき、ドル円は大きく下落します。それに連れられるようにユーロ円も大きく下落します。

このとき、ドルとユーロの売買に大きな影響がない場合、ユーロドルはレンジになっています。

あるいはユーロドルが上下に動くにしろ、ユーロ円の値動きはドル円の値動きと強い相関関係にあることがほとんどです。

 

絶対ではないですが、円買いが起こっているときはリスクオフ(リスク回避)円売りが起こっているときはリスクオン(リスク選好)が相場で起こっていると予測できます。

「ユーロ」が中心に値動きする:クロス円とドルストレートの相関性が強い

ユーロ買い・ユーロ売りが中心となって為替相場が動いているとき、ユーロ円はユーロドルの値動きに連れられたような値動きをします。

逆にドル円との相関関係はあまり見られないことが多いです。

このような場合、経済指標や要人発言でユーロの評価自体が上がったり、下がったりすることが主な要因と考えることができます。

例えば、EU圏内の国の経済指標が予想以上に悪いときや利下げ示唆などをされるとユーロ自体の評価が落ちるのでユーロ売りになる傾向があります。

「ドル」が中心に値動きする:ドル円、ドルストレート両方に相関性を持たない

ドル買い・ドル売りが中心に為替相場が動いているとき、ユーロ円はドル円・ドルストレートの両方ともに相関性を持たないことが多いです。

例えば「ドル」が買われたときには、ドル円の価格は上昇しますが、ドルストレートの価格は下落します。

クロスレート(掛け合わせ)であるため、ドル円の上昇とドルストレートの下落は相殺されます。

その結果、クロス円の値動きは大きな上昇も下落もないレンジになることが多いです。

 

ドル中心に相場が動いているときは、クロス円は「蚊帳の外」であり、閑散としていることが多いです。

ドル円・ドルストレートどちらともに相関する場合

どちらにも相関性を持たない一方で、どちらにも相関性を持つ場合もあります。

  • 通貨強弱がユーロ>ドル>円となった場合は強烈なユーロ円の上昇
  • 通貨強弱が円>ドル>ユーロとなった場合は強烈なユーロ円の下落

この2つの場合にはユーロ円はドル円とユーロドル両方に相関性を持つ値動きをし、さらにボラティリティの大きな値動きになりやすいです。

このような場合は、その通貨の国の評価が大きく関わっていることが多い。

ユーロ円について言えば、EU圏での問題発生あるいは問題解決がきっかけになることがあります。

例えば、EU圏で何か重要な問題(マイナス材料)が起こったときには、ユーロが売られる代わりにリスク回避の円買い+ユーロの代替としてのドル買いが同時に起こることがあります。

このようなとき、ユーロ円はドル円やユーロドル比べても急速な下落をします。

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クロス円のメリット・デメリット

上記のようにクロス円は、ドル円とドルストレートと相関性を持ったり持たなかったりします。このような特徴により、クロス円のメリット・デメリットが相場に現れます。

ボラティリティが良くも悪くも高い

ボラティリティが高い理由は「クロス円がドル円とドルストレートのかけ合わせ通貨」だからです。

ユーロ円を買ったときは、円とユーロだけではなく、ドルと円の値動きにも影響されます。

ドル、ユーロともに上昇したときにはユーロ円はかなり大きく値が上昇することになります。

一度、トレンドのスイッチが入るとドル円、ドルストレートよりも大きな値動きで推移していきます。

このため上手くいけば1回のトレードで得られる利益はドル円・ドルストレートよりも大きくなります。

一方で損切りが上手くできない人にとっては、大きな損失を食らう動きにもなるのでクロス円の取引は諸刃の剣とも言えるでしょう。

相場の予測が難しい(値動きが複雑なときがある)

予測が難しい理由は、クロスレートのために状況によって「ドル円の値動きとユーロドルの値動きが逆行することがある」からです。

 

ユーロ自体が大きく売られたとき、代わりにドルが大きく買われたとすると次のようなことが起こります。

①ユールドルは大きく下がる ②ドル円は大きく上がる 

このときのユーロ円は下がるのか上がるのか一概には言うことができません。

答えは「状況次第」になります。

①の下落がより強ければユーロ円は下落しますし、②の上昇がより強ければユーロ円は上昇します。

ユーロ円の値動きの他にどちらの通貨の影響が強いかを予想しなければなりません。

このように、クロス円の値動きの要素はドル円とドルストレートに影響されるので予想が難しくなります。

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まとめ

クロス円の仕組み自体は簡単ですが、

状況に応じて他の通貨ペアと相関性を持ったり持たなかったりと値動きは複雑です。

FXを始めた方やトレード手法が固まっていない方は、

比較的に値動きの単純なドルストレートペアで慣れてからクロス円のトレードをしてみることをおすすめします。

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